高次脳機能障害の等級認定のポイント
自賠責保険においては、基本的に以下のポイントを重点に判定を行っていると考えられています。
- 高次脳機能障害、脳挫傷(後遺症)、びまん性軸索損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳室出血等の診断がなされているか否か
- 初診時の意識障害の有無
- 画像所見として、外傷後3か月以内に確認される脳内出血、脳室拡大、脳萎縮があるか否か
- 高次脳機能障害による症状の有無
そして、自賠責保険において高次脳機能障害として実際に認定されるためには、基本的に以下の要件をみたす必要があると考えられます。以下の要件を充たさない場合でも例外的にケースに応じて認定される例もあるとありますが、通常困難であると考えられています。自賠責保険において、高次脳機能障害として認定されない場合には、訴訟において争う必要があります。
- 高次脳機能障害、脳挫傷(後遺症)、びまん性軸索損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳室出血等の診断がなされていること
- 初診時に頭部外傷の診断があり、初診病院の経過の診断書において、当初の意識障害(半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態:JCSが3~2桁、GCSが12点以下)が少なくとも6時間以上、もしくは、健忘あるいは軽度意識障害(JCSが1桁、GCSが13~14点)が少なくとも1週間以上続いていること
- CTやMRIで、脳内出血の有無、脳室拡大、脳萎縮の画像所見が確認できること
- 神経心理学検査で高次脳機能障害の症状が確認できること
- 被害者及びその家族が神経心理学検査の結果に沿う症状を述べていること
上記の要件を立証するための主な資料としては下記のものがあります。
- XP,CT,MRIの画像所見(出血の有無、脳室拡大、脳萎縮等が確認できます。)
- 頭部外傷後の意識障害についての所見(事故後の意識障害の有無やその程度が確認できます。)
- 神経系統の障害に関する医学的意見(神経心理学検査の結果、高次脳機能障害の症状の有無・程度について確認できます。)
- 日常生活状況報告(日常生活や仕事においてどのような高次脳機能障害の症状が出ているかを確認できます。)
- 日常生活動作検査表
- 神経心理学検査(高次脳機能障害の症状の有無やその程度が確認できます。)